25日投開票の埼玉県知事選で、野党統一候補の大野元裕元防衛政務官が事実上の与野党一騎打ちを制した。主要野党は共産党も含めた野党共闘が奏功した形で、参院埼玉選挙区補欠選挙(10月27日投開票)などに弾みがつきそうだ。自民党は、先の参院選後初の大型の地方選挙ということもあり総力戦で臨んだだけに、敗北は補選や今後の国会運営に影響しそうだ。
主要野党は参院選の共闘の枠組みを生かし、候補を大野氏に一本化。大野氏は現職の上田清司知事の支援を受けたほか、無党派層の取り込みに徹した。
勝利に胸をなで下ろしたのは大野氏だけでない。埼玉を地盤とする立憲民主党の枝野幸男代表は選挙戦最終日の24日に大野氏の応援に入り、勝利に貢献した。
一方、自民党は、告示前から二階俊博幹事長や菅義偉官房長官らを集中投入して推薦候補を支援した。
消費税率10%への引き上げ後、初の国政選挙となる参院補選は再び与野党対決となる可能性があり、野党側は上田氏の出馬が取り沙汰される。自民党の甘利明選対委員長は25日、党本部で記者団に「敗因を分析して対応したい」と厳しい表情で述べた。(清宮真一、千田恒弥)
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